フルマラソンを完走するには

ここではフルマラソンにチャレンジする方向けに、練習方法をまとめました。
フルマラソン大会が近づいてきたらこちらの記事もご確認ください。
フルマラソン完走の条件
フルマラソンは一度に42.195㎞を走る競技です。
そして大会にもよりますが、一般の大会で制限時間が6時間~7時間です。
(エントリーの際には制限時間には注意しましょう。)
この距離と制限時間をクリアすることが条件になります。
計算上の条件
例えば1キロ7分のペース(まあまあゆっくりジョギング)で20㎞走ると2時間20分。
残りの22.195㎞を時速5キロ(1キロ12分)で歩くと4時間13分。
これでトータル6時間半ちょっとですので、制限時間7時間の大会なら完走(完歩)はできます。
こう聞くとあまり運動していない方でも「できるかも」と思われるかもしれませんが、これは一切立ち止まらず・休憩なしの計算です。
キロ7分でペースを落とさず20㎞・2時間20分走るのは結構大変ですし、その後1キロ12分(ちょっと速足)で歩き続けるのも大変です。
またすべての距離を7時間で走り切るにはおよそ1キロ9分56秒でクリアできます。
6時間ならおよそ1キロ8分31秒となります。
実際にフルマラソンを走り切れる条件
しかし上の「計算上の条件」を目指してフルマラソンにチャレンジしよう、というのはお勧めしません。なぜなら、計算通りにいかず完走できない可能性が高いからです。
休憩なしでぴったりペースコントロールして最後まで走り切るのは、上級者にしかできません。
またペースがゆっくりならラクかといえば、今度は制限時間目いっぱい動き続ける必要が出てくるため、6~7時間運動し続けられる能力が求められます。
そこで、私が個人的に考えるフルマラソンチャレンジの条件とは
おおよそこの2点をクリアしていれば、フルマラソン完走は射程圏だと思います。
フルマラソン完走のための練習量

完走のための準備期間
一般的にフルマラソン完走のための練習・準備期間は3か月~6か月という意見が多いです。
それなりの基礎体力があり、ダイエットの必要がない方、ランニング経験者で正しいフォームで走れる方でしたら3か月でも可能だとは思います。
しかし3か月だと、最後の2週間は負荷を軽減して調整する期間にするため、実質2か月半で完走できるレベルまで仕上げる感じになります。
このような点から、一般に3か月あればフルマラソンを完走できる、とは言えないと思います。
フルマラソンはいろんな時期に大会がありますので、11月に走ろうと思っていた方は2月の大会に切り替えればプラス3か月の準備期間ができます。焦って無理をしないよう、徐々に習慣づけていきましょう。
完走のための練習量
フルマラソン完走のための練習量が決まっているわけではありません。
逆に言えば上に述べた条件をクリアできる程度練習すればOKということになります。
体重が標準より重い方はダイエットする必要がありますし、頑張っているのに上記の条件がクリアできない方はフォームに問題があるかもしれません。
それらの個別の条件は置いておいて、私が考えるおおよその目安は
これで月間走行距離がおよそ80㎞~120㎞になります。
天候や仕事の都合・ご家庭の都合で走れない日が出てくるのは仕方がありませんから、3回が1回減っても2回をキープすることが重要です。
この条件がクリアできない場合は、その前段階で3㎞や5㎞からスタートして、クリアできる程度の走力を付けてからフルマラソンに臨むことをお勧めします。
練習量をキープする必要性
先に述べた「週2回をキープ」はもちろん原則で、1回でも崩したらダメというわけではありません。しかし走り始めの頃に週1回、週0回、という週ができてしまうとリズムが崩れて元に戻すのが大変になってしまいます。
フルマラソンを6か月でチャレンジする場合に、2週間0回だと、元に戻すのに2週くらい要して1か月が無駄になってしまうイメージを持っておくと良いでしょう。
フルマラソンの3か月前~大会当日のプラン

大会の2か月前~3か月前
フルマラソンに臨む際は、3か月前からプランを立てて練習に取り組むことをお勧めします。
特に最後の2か月は、大会直前に焦らないようしっかり予定を立てておきましょう。
先に述べた通り、10㎞程度を週3回走ることができていれば十分完走圏内、完走するための基礎はできています。
大会の2~3か月前にはこのレベルまで仕上げるのを目標にしましょう。
大会の1か月前~2週間前
さらにフルマラソン大会本番は一気に40㎞以上走らなければなりませんので、最長ランニング経験が10㎞では短すぎます。
※膝を痛めて1週間休養すれば、もう最後の1週間になって緩い練習しかできません。ここで焦って練習を増やしても逆効果になります。またケガに近い状況になると2週間でベストコンディションにはならない可能性が高いため注意しましょう。
大会の2週間前~1週間前
2週間前のロング走が終わってからの1週間は、それぞれの感覚で判断することが大切です。
ロング走で特にダメージがなければ、通常の練習を少し軽くした程度に、ダメージがあれば無理しないことが最優先です。
直前の1週間は練習というよりは足の疲れを抜くことが第一です。
イメージとしては普段の練習の50%~70%程度に抑えて、足は動くけど疲れは無いという状態がベストです。
直前で焦って練習しすぎないように、最後のロング走から後の2週間で調整するのが大切です。
30㎞走は必要か
30㎞走の必要・不要は様々な意見があります。
不要論の意見として「30㎞走は負担が大きすぎるからやめた方が良い」というものがありますが、この言い方は間違いで、「負担の大きい走り方をしている人はやめた方がいい」が正解だと思います。
例えば10㎞~20㎞走って膝に痛みが出る方は、フォーム等に問題がある可能性があります。
その方は大会前に根性で30㎞走ってケガにつながると元も子もありませんので、やめておいた方がいいでしょう。
本来はフォームを完全して30㎞走っても不安がない状態になってから、フルマラソンも出るべきだと思いますが、あくまでもフルマラソン完走が目標なら、30㎞走のリスクはマラソン大会本番に持ち越すのが良いでしょう。
練習の応用編

繰り返しですが「10㎞程度を週3回」が基本です。
これでフルマラソン完走レベルは十分にクリアできると考えています。
ですが、この3回を毎回同じように同じペースで走っていると、「これくらいなら疲れないし余裕」という状態になってきます。
ベテランの走りこんでいるランナーになると週4~6回の方が多いと思いますが、3回(~4回)が一番効率的な回数だと思います。週3回を週6回に増やすだけでは、効果は単純に2倍にはなりません。
なお、ダイエット目的であれば楽なペースのままで距離や時間、回数を増やすのも効果的だと思います。全く意味がないというわけではありません。
緩急をつける
正式な練習方法としては「インターバルトレーニング」「ビルドアップ走」などが知られています。
インターバルは1㎞をキロ〇分(速いペース)で走って、100mをジョグ、これを何セット繰り返す、といったもので、ビルドアップは徐々にペースを上げていくトレーニングです。
本格的に取り組んでいるランナーの方はほとんどが実践していると思いますが、そこまで厳密に行わなくても同様の効果は得られます。
例えばいつも走っているコースの中で走りやすい部分1か所を1キロ〇分のペースで走る、坂道の部分をペースアップして走るなど、負荷をかける部分を入れるようにします。
毎回でなくてもよいので、「息が上がってしんどい」という状態を意識的に作ることでレベルアップが図れます。
連日走る
週3回だと、1日走って次の日は休息というパターンが多いと思います。
前日の10㎞走の疲れが残った状態で走ることでより大きな効果が得られます。
20㎞走にチャレンジする前段階のトレーニングとして、またロング走をする時間がない場合は、この連日走で走力を強化しましょう。
ペースを意識する
初心者の方で楽に10㎞程度走れるレベルになった方は、おそらく1キロ7分前後のペースに落ち着く方が多いのではないかと思います。
ただ、練習で1キロ7分、フルマラソンも1キロ7分だと距離だけ普段の4倍以上となってしまいます。
フルマラソンを1キロ7分で入るつもりであれば、練習で週に1~2回は1キロ6分30秒とか、1キロ6分にチャレンジしてみましょう。
自分がどのくらいのペースでどのくらいの距離を走ることができるのか、把握するのも大切です。
おおよその目安で言えば、1キロ6分で10~15㎞走ってある程度余裕があれば、キロ7分で30㎞はまあ大丈夫ではないかと思います。
走る回数を増やす
ただ頑張りすぎて、マラソン大会が終わってから反動で走るのをやめてしまうのは非常にもったいないです。無理に自分をルールで縛らないことが大切です。
連日走をして疲れが残らなければ、自然に週4回くらい走るケースも出てくると思います。
またトレーニング効果と関係なく、ほとんど毎日走っている方もいらっしゃると思いますが、ダメージさえなければジョギングの楽しみ方として問題ありません。
あくまでもフルマラソンデビューを目指す入門者のトレーニングとしては、週3回でOKということです。
最後に

マラソンの練習方法については、多くの方が自身の成功体験から「この方法が良い」と判断しています。
このページで述べた内容も私個人のフルマラソンチャレンジの経験からのアドバイスですので、全員にぴったり当てはまるものではありません。
ですが運動経験ほぼゼロからの経験ですので、多くの方の参考になるのではないかと思います。